ゲノム機能制御研究分野

菅澤 薫

教授  菅澤 薫

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横井 雅幸

准教授  横井 雅幸

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酒井 恒

助教  酒井 恒

TEL: 078-803-6522
FAX: 078-803-5970
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日下部 将之

助手  日下部 将之

TEL: 078-803-6522
FAX: 078-803-5970
E-mail: mkusakabe(at)people.kobe-u.ac.jp

研究内容

私たちのゲノムDNAは生体内で発生する活性酸素や、放射線・化学物質などの環境因子によって絶えず傷ついています。DNA損傷は染色体異常や突然変異を引き起こし、癌や遺伝病の直接の原因になるばかりでなく、細胞死を引き起こすことによって老化や神経疾患にもつながることが最近わかってきました。当研究分野では、DNA修復機構に異常を示すヒト遺伝性疾患に関連したタンパク質の機能解析を中心に、癌や老化の予防・治療法の開発を視野に入れた研究を進めています。

  1. DNA損傷の発生を感知して修復する分子メカニズム
    紫外線や化学物質等によって発生する広範なDNA塩基損傷を取り除くヌクレオチド除去修復(NER)機構に特に注目し、色素性乾皮症原因遺伝子産物をはじめとするNERタンパク質因子の精製と無細胞修復反応の再構成を行っています。これらの生化学的な解析により、NER分子機構の詳細な解明を目指します。
  2. 生体内におけるDNA修復の高次制御機構
    NERの最初期過程においてDNA損傷の認識にあたるXPC、DDB2(XPE)タンパク質に着目し、これらの因子の翻訳後修飾や生細胞内動態、修復に伴うクロマチンリモデリング機構、エピゲノム制御機構とのクロストーク等について調べています。これにより、生細胞内で効率よいDNA損傷の認識を保証するメカニズム、さらには高次生命現象におけるDNA修復因子の新たな役割の解明を目指します。
  3. DNA損傷で引き起こされるDNA複製反応の停止を回避する機構
    絶え間なく生じるDNA損傷は、ゲノム情報の伝達に必須なDNA複製反応の妨げとなります。DNA複製反応の停止は細胞死につながる危険があるため、損傷を残したまま複製反応を継続させる機構を生物は獲得しました。損傷乗り越えDNA合成反応に代表される損傷トレランス機構の解析を通じて、発がん、老化、免疫機能の多様性の解明にアプローチします。
  4. DNA鎖間架橋損傷に対する細胞内シグナル伝達経路
    DNA損傷の中でもDNA鎖間架橋(ICL)は、細胞に与える影響が大きいと言われています。しかし、他の修復系に比べて分子レベルでの理解は十分に進んでいません。ICL損傷に対する生体応答は、がんの発生や抗がん剤に対する抵抗性獲得のメカニズムと深く関与しており、その理解は非常に重要です。生体内でのICL損傷の発生メカニズムや修復を含む細胞応答の解析から、その異常がもたらすさまざまな病態解明を目指します。
菅澤研究室 HP
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