細胞情報研究分野

原山 洋

教授(兼担) 原山 洋

TEL: 078-803-5805
FAX: 078-803-5807
E-mail: harayama(at)kobe-u.ac.jp

中嶋 昭雄

准教授  中嶋 昭雄

TEL: 078-803-5965
FAX: 078-803-5972
E-mail: anakashima(at)person.kobe-u.ac.jp

蜷川 暁

助教  蜷川 暁

TEL: 078-803-5965
FAX: 078-803-5972
E-mail: sninagawa(at)harbor.kobe-u.ac.jp

研究内容

当研究室では細胞が生理活性物質、細胞ストレス、栄養変化、細胞分化などのシグナルを受けた後、それらがどのようにして細胞内部へ伝達され、細胞の機能を制御しているかという仕組みの解明を行っています。

生物はゲノムの指令に基づいて構築された細胞応答システムであり、刻々と変動する細胞内外の状態・環境の変化に対応して生命機能を維持統御しています。別の表現をすれば、生命活動は自分自身のゲノムに内包された情報による調節と、外界環境からの入力への反応が並行・協調して営まれています。また、このような細胞における生命機能制御に異常が起こると、ガンや糖尿病、筋ジストロフィーなどのさまざまな疾患の発症に関わることが知られています。しかし、細胞の内からと外からの生命機能制御、そしてこの両者の関係には、まだ不明の点が多く残されています。私たちは以下の3テーマで細胞機能の仕組みを解析することにより、これまでに知られていなかった多彩な生体機能制御の様式を明らかにすることや、ヒト疾患の発症に寄与する分子メカニズムモデルを構築し、新たな創薬イノベーションにつながる先端的な基礎研究の推進を目指しています。

  1. タンパク合成・細胞成長を制御するTORシグナル伝達機構
    TORは免疫抑制剤や抗がん剤として注目されるラパマイシンの標的となるタンパク質リン酸化酵素です。TORは栄養状態をはじめ、種々の外的環境の変化に応じてタンパク合成や細胞成長などの機能を制御しており、その制御異常は、がんや2型糖尿病などの多くの疾患と結びつくことが知られています。TORシグナル伝達機構の多様な制御機構および機能について分子レベルでの解析を行っています。
  2. 細胞の栄養感知および応答の分子機構
    アミノ酸や糖などの栄養は細胞が生命機能を維持するための必須な要素です。近年、細胞は栄養状態の変動を多くの分子を駆使して感知し、TORだけでなく様々なシグナリングをコントロールすることで細胞機能の制御を行っていることが明らかとなっています。新しい栄養の感知システムおよび細胞の制御機構の発見と解析を行っています。
  3. 小胞体におけるタンパク質品質管理機構の解析
    小胞体は全タンパク質の1/3が生合成される場となる重要なオルガネラです。ここで新規合成された膜タンパク質や分泌タンパク質は、N型糖鎖付加やジスルフィド結合形成などの翻訳後修飾を受け、正しい立体構造を獲得し、それぞれの目的地へと輸送されます。しかし立体構造形成に失敗した構造異常タンパク質は、細胞質へと送り戻され、細胞内の分解装置であるプロテアソームによって分解されます。このように小胞体では、タンパク質の品質管理機構が機能しています。この分子メカニズムをヒト培養細胞を用いて明らかにすることを中心とした研究を行っています。
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